2024年度第1回スポーツ科学研究会(ゲスト講師:Travis Taylor, Ph. D.)
2024/10/11
一橋大学スポーツ科学研究室では、社会科学的にスポーツを分析する手法を深化させるため、定期的にゲストをお招きして研究会を開催しております。
研究会の概要:ハウデノサウニーとラクロス
5月22日に一橋大学スポーツ科学研究室において、今年度第1回目の一橋大学スポーツ科学研究会が行われました。ゲスト講師にTravis Taylor, Ph. D.をお招きして、「The Modern Medicine Game: Lacrosse, The Haudenosaunee, and Reconciliation」というテーマで講演をしていただきました。
Travis先生はオンタリオ湖周辺にアメリカとカナダにまたがって保留地を持つハウデノサウニー(イロコイ連邦)の人々とラクロスの関係について研究されています。
まずハウデノサウニーの人々が、従来どのように暮らしてきて、ヨーロッパ人が入植した後にどのような関係性を築いてきたかということについてお話しいただきました。
その上で、ハウデノサウニーが儀式として行っていたラクロスについて、現在も独立したチームとしてラクロスの世界選手権に参加しており、彼らは「イコロイ・パスポート」と呼ばれる独自のパスポートを用いて大会に参加しているということを学びました。
そして、Travis先生がそれらをどう調査したかという話の後に、意思決定や何かを実践するには、その状況から得られる資本に影響されて、似たような状況や場においてこれまでの経験から学んだこと(ハビトゥス)が意思決定や行動に影響するというブリュデュー理論を援用して、ハウデノサウニーの人々が国際ラクロス界において、どのように自分たちの主権を保っているのかについての分析を語っていただきました。