八木一弥非常勤講師の研究論文が『体育学研究』に掲載されました
2026/10/27
八木一弥非常勤講師の研究論文「日本における野球文化形成に関する研究:「野球害毒論争」をめぐる関係構造と野球文化の方向づけに着目して」が、学術雑誌『体育学研究』に掲載され、オンラインで早期公開されました。
本研究では、1911年に起こった「野球害毒論争」に着目し、この論争を通じて、野球をめぐる価値や考え方がどのように変化し、方向づけられていったのかを検討しています。
この論争では、野球が学生に悪影響を及ぼすという批判に対して、新聞社や野球関係者、教育者などがさまざまな立場から議論を展開しました。本研究では、ノルベルト・エリアスの関係態社会学の視点を参照し、当時の新聞記事や関連資料をもとに、論争に関わった人々の言説や行動を、彼らが置かれた社会的状況や相互の関係、批判と応答の過程との関連から分析しています。
分析の結果、論争は単に野球の是非をめぐる対立にとどまらず、野球の社会的・教育的価値や、競技者・教育者による管理のあり方が論じられる過程でもあったことが示されました。また、論争における批判と応答を通じて、それまで異なる文脈に位置していた価値や考え方が相互に関係づけられ、その意味や位置づけを変化させながら、野球を「教育」との関係から捉える方向性が前面に現れていったと考えられます。
本研究は、野球文化を特定の人物や集団の意図によって形成されたものとしてではなく、さまざまな人々の関係や相互作用のなかで方向づけられていくものとして捉え、1911年の「野球害毒論争」をその形成過程の一局面として位置づける試みです。
論文の全文は、以下のリンクからご覧いただけます。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjpehss/advpub/0/advpub_056-26079/_article/-char/ja/




