一橋大学におけるスポーツの社会科学
2020/03/25
一橋大学スポーツ科学研究室は、社会を読み解く重要な領域としてスポーツを捉え、社会学はもとより歴史学、教育学、文化研究、政策研究、開発研究、地域研究、福祉研究などを含み込んだスポーツの社会科学=Social Sciences of Sportに取り組む研究ユニットです。
各スタッフの研究領域も、多様で国際的な広がりをもっており、所属しているスポーツ関係の学会も、スポーツ社会学会、スポーツ史学会、体育史学会、スポーツ人類学会、スポーツ政策学会、スポーツ法学会、スポーツ産業学会、スポーツ教育学会、体育学会、武道学会などと多岐にわたっています。これだけの領域を含み込んでいるのです。
イギリスを中心として成立したスポーツは、同じルールの下に、国境や民族を超えて誰もが勝敗を競え合えるユニバーサルな文化として、20世紀を通して地球的規模で普及し、発展を遂げました。そして現在、世界最大級のメガイベントとして人々を熱狂させているオリンピックやサッカー・ワールドカップに示されているように、スポーツは経済、政治、文化、メディア、教育等々との結びつきをますます深めています。また、近代社会がもたらした運動不足やストレスの増大、あるいは自己実現や人間らしい生き方の追求などを背景にして、人々のスポーツをする・観る・読む・聞く等の要求もかつてなく高まりつつあります。
こうしてスポーツは、現代社会を読み解くひとつの重要な領域として、また、持続可能な人間と社会経済開発を促し、さらに恒久平和の構築のためのアイテムとして脚光を浴びるようになってきました。そして、それらを総合的にとらえるスポーツの社会科学的研究が切望されるようになってきています。一橋大学スポーツ科学研究室は、こうしたニーズに応えるべく設置された、全国的にも他に類をみないユニークな研究ユニットなのです。