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研究室紹介

研究室紹介

2022/07/08

1.一橋大学におけるスポーツの社会科学

一橋大学スポーツ科学研究室は、社会を読み解く重要な領域としてスポーツを捉え、社会学はもとより歴史学、教育学、文化研究、政策研究、開発研究、地域研究、福祉研究などを含み込んだスポーツの社会科学=Social Sciences of Sportに取り組む研究ユニットです。

各スタッフの研究領域も、多様で国際的な広がりをもっており、所属しているスポーツ関係の学会も、スポーツ社会学会、スポーツ史学会、体育史学会、スポーツ人類学会、スポーツ政策学会、スポーツ法学会、スポーツ産業学会、スポーツ教育学会、体育学会、武道学会などと多岐にわたっています。これだけの領域を含み込んでいるのです。

イギリスを中心として成立したスポーツは、同じルールの下に、国境や民族を超えて誰もが勝敗を競え合えるユニバーサルな文化として、20世紀を通して地球的規模で普及し、発展を遂げました。そして現在、世界最大級のメガイベントとして人々を熱狂させているオリンピックやサッカー・ワールドカップに示されているように、スポーツは経済、政治、文化、メディア、教育等々との結びつきをますます深めています。また、近代社会がもたらした運動不足やストレスの増大、あるいは自己実現や人間らしい生き方の追求などを背景にして、人々のスポーツをする・観る・読む・聞く等の要求もかつてなく高まりつつあります。

こうしてスポーツは、現代社会を読み解くひとつの重要な領域として、また、持続可能な人間と社会経済開発を促し、さらに恒久平和の構築のためのアイテムとして脚光を浴びるようになってきました。そして、それらを総合的にとらえるスポーツの社会科学的研究が切望されるようになってきています。一橋大学スポーツ科学研究室は、こうしたニーズに応えるべく設置された、全国的にも他に類をみないユニークな研究ユニットなのです。

2.大学院教育:ゼミナール(演習)と開講科目(講義)について

1)ゼミナール(演習)

入学後は、指導教員のゼミナールに所属し、その指導の下で修士論文や博士論文を執筆していくことになります。また、上記のような学会に所属し、学会発表を行なったり、学会誌に論文を投稿するなどの研究活動を進めていくことになります。

6名のスタッフが担当するゼミナールの最近のテーマは、下記のとおりです。

担当スタッフ 最近のテーマ
尾崎正峰 スポーツ政策の国際比較、オーストラリアのスポーツの社会史
坂なつこ スポーツ/レジャー社会学の理論研究、アイルランド社会とスポーツ
坂上康博 日本の近現代を中心としたスポーツの社会史
鈴木直文 スポーツ・余暇・文化活動を通した社会改善プログラムの評価
岡本純也 スポーツ、プレイ、身体文化による地域活性化・地方創生
中村英仁 企業スポーツクラブの効果的運営およびエリートスポーツの国際競技力向上の組織論

 

2)修士論文・博士論文のテーマ紹介

最近提出されたものや現在執筆中の修士論文・博士論文の中から、いくつか紹介しておきます。

「スポーツ少年団の成立と展開過程」
「ソシオ制度とクラブ運営――横浜FCを対象に」
「イギリスのスポーツ政策と自治体――スポーツによる地域振興と経済振興」
「ラグビーユニオンの変遷と“小国”の選手の国際移動――ルーマニアの事例を中心に」
「近代日本の中高等教育と学生野球の自治」
「プロスポーツにおける地域密着と社会貢献――Jリーグの活動に焦点を当てて」
「近代オリンピックにおけるOlympic Truceの展開」
「戦時期における女性スポーツ――国家政策とスポーツ界のとりくみを中心に」
「日本プロ野球における外国人枠の変容 1951~2003年」

 

3)開講科目について

入学後は、指導教員のゼミナールに軸足を置いて、修士論文または博士論文の執筆などを行なっていきますが、その他に個々人の問題関心と研究上の必要性に従って、いくつかの科目を選択し履修していきます。

①指導教員のゼミナール(4単位)
②副ゼミナール(4単位)
③講義(各2単位)

大別すると上記の3種類に分かれますが、自分の問題関心に従いながら研究を進めていくためには、スポーツ社会科学関係の他のゼミナールや講義科目の履修だけでなく、隣接分野の研究成果を積極的に吸収することも重要です。自らの研究テーマをより豊かにより深く追究していくために必要な隣接分野、たとえば歴史学、社会思想、政治学、教育社会学、人類学、社会調査、地域研究、都市論等々に関するゼミナールや講義も自由に履修することができる体制・カリキュラムを備えています。ぜひこうした環境をフル活用しながら、研究を進めていってほしいと思います。

なお、スポーツ科学研究室のスタッフは、学部の講義科目として「スポーツ社会学の基礎」「スポーツ問題の社会学」「スポーツと社会過程」「現代スポーツ論」「現代社会とスポーツ」「スポーツ文化」「地域社会とスポーツ」「身体と教育」「健康と福祉」「スポーツビジネス論」なども担当しています。こうした講義を聴講することも、大学院で研究を進める上で、あるいは、スポーツに対する多様な視点や知見を身につける上で、一つの選択肢として考えられると思います。

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